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2007年6月23日 朝日新聞 |
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高野博師氏(右)とともに太田昭宏・公明党代表(左から3人目)も参加した街頭演説会=2日、越谷市の東武伊勢崎線新越谷駅東口で「おはようございます。高野博師です」6月中旬の月曜日朝。JR蕨駅東口に途切れなく声が響く。 3選を目指す公明の高野博師氏(60)の姿はない。地元蕨の市議と川口市選出の県議ら数人は週数回、現職の高野氏に代わり朝夕の駅頭に立つ。 党県本部が、国政選挙ですべての地方議員に「駅立ち」を指示するのは例がない。従来の支持者固めに加え、無党派層を取り込みたい陣営の切実さが透ける。「危機感はこれまでにないほど大きい」。関係者の多くがそう口にする。 4月の県議選。公明は前回と同数の現職10人が当選し、県議会での勢力は維持した。しかし、当選した県議10人中、6人が得票を約300〜3千票減らした。民主が新たに候補を立てた上尾や春日部で、軒並み減った。 ある公明県議は「県議選ではさほど『風』を感じなかったのに、ふたを開けると票を全部民主候補に持っていかれた」とショックを隠さない。 得票増は3選挙区だけ。党本部が重点区に指定し、太田昭宏代表ら党幹部が次々に応援に入った川口市。さいたま市北区と新座市には、自民・民主のいずれかが候補者を立てない「特殊事情」(公明県議)があった。 党県議団幹部は「統一選で始まった地殻変動が参院選でさらに大きく表れるのでは」と恐れる。さらに、年金記録問題が起き、支持者離れに陣営は戦々恐々としている。 前回04年の参院選で、民主公認の2人は計120万票を獲得した。今回も2人が立つ。年金記録問題で追い風に乗る民主が前回得票を2人で半分ずつ分け合うと、01年に56万の得票だった高野氏は及ばない計算だ。 「絶対に60万票はほしい」とある県議。週末ごとに各支部で高野氏の講演会を開き「年金制度そのものは大丈夫」と沈静化に躍起だ。 今月16日、記者会見した高野氏は「自民は農業に具体的な政策ビジョンを示せていない」と、自民の農政を批判。「収入が増えれば農業はもっとよくなる。都市農業の拠点である埼玉から力を入れたい」と続けた。 陣営は5月、農業の担い手不足問題の解決などを訴えるチラシを農家に配り始めた。「生命産業・農業を守ります」のコピーの上に、両手に大根を持つ高野氏の写真が印刷されている。 保守系支持者の多い農家は「これまでは行っても仕方ないエリア」(公明県議)だった。それが今は、数千票でも保守票の上積みをねらう。 6月14日、国会で自民の中川秀直、公明の北側一雄両幹事長が会談し、埼玉を含む改選数3の選挙区で選挙協力を強化することを確認した。 だが、新顔の古川俊治氏を擁立した自民との協力は「実際は難しい」という見方もある。自民の大野松茂県連会長は「まだ具体的な話をするには早い」と言葉を濁す。 「05年の衆院選では15選挙区すべてで自民を応援した。借りたものは返す。それが紳士協定だし暗黙の了解でしょう」 公明県議団幹部はそう自民に鋭い目を向ける。県内の自民の基礎票は、公明の倍近くあるといわれる。「互いに必死でも、自公2人当選をもって安楽と心得るべきだ」と語気を強めた。 |